この日記

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2018/7/21

吉本隆明『心的現象論 本論』を読んでいる。
初めの五ページ、人間の眼についての文章。
ここでは、眼は、明るい室内から暗い室内に入ったとき、最初は何も見えないが、だんだん目が慣れてきて、その空間の物の配置も見えてくる。これは何故なのか?ということを例をあげて考えている。
1つ目に挙げられるのは例えば白い紙に細い黒線を書いていくと、その間をじっと凝らして見てみる。すると、その間に虹のようなものが見えてくるという。
これはやったことがないからわからない。
それはさておき、面白く読んだのは

1人間の眼が見て、そこから生理的に対象を理解する時間
2今流れている実際的な時間
3対象そのものの変化

と吉本は3つを腑分けしていることだ。
そして、2-1=3
となるということ。

1はカイロス的時間、2はクロノス時間とも言い換えることができるだろう。(誰の定義だっけか。木村敏かな。)
さらにこれを飛躍させて、実際の時間と自分の時間感覚のズレ、これを補填させるのが心的状態だと言い換えている。

心はつまり実際の時間と自分の視覚や感覚から来る認識のズレを正すようにあるんだろうか?

保坂和志はこれと似たことを言っていたなと思い返す。 視覚は一気にそれを理解する。文で読むときは直列的、視覚は並列的だと。